

上記の疑問に答えます。
本記事の内容は次のとおりです。
- 記憶が蘇る現象は「メンタルタイムトラベル」です。
- 音楽を聴くときには注意も必要。
順番に解説していきます。
記憶が蘇る現象はメンタルタイムトラベル

記憶が蘇るのは、メンタルタイムトラベルが脳の中で起こっているからです。
メンタルタイムトラベルを日本語に訳すと「精神的に過去に戻る」ということ。
つまり、過去に経験した記憶が一瞬にしてタイムトラベルしたかのように思い出すことです。
そのため、当時よく聴いていた音楽を聴くと、記憶が蘇るのも、メンタルタイムトラベルが起こっているからです。
また、メンタルタイムトラベルの特徴は「一瞬にして」というところです。
過去に経験した記憶をもう一度思い出すには、また同じことを経験するか、同じ場所に行くことでしか思い出すことはできませんし、それが普通ですね。
しかし、メンタルタイムトラベルが起こることで、一瞬にして過去に経験した記憶を思い出すことができます。
音楽と記憶には密接な関係がある
メンタルタイムトラベルは、あることをすると懐かしい過去の記憶が蘇ります。
名古屋大学の川口潤教授が述べているこんな説があります。
音楽を聴いたときに、ゾクッとする感覚が生じた時の脳活動とドーパミンを測定しました。
その結果、ゾクッとする感覚を期待してドーパミンが分泌され、実際に感覚が生じた時にもドーパミン量が増加した。
そして、この脳活動が懐かしさを強く感じた時と近いとも考えられる。
音楽を刺激にしてメンタルタイムトラベルの状態になるため、懐かしい思い出が蘇りやすくなる。
つまり、嬉しかったことや悔しかったことや悲しかったこと、辛かったことなどは脳にインプットされています。
その当時によく聴いていた音楽を聴くと、脳は当時の嬉しかったことや悔しかったことなどの記憶を呼び起こし、メンタルタイムトラベルが起こる。
この現象によって、私たちは音楽を聴くと当時の記憶を思い出しています。
音楽を聴くときには注意も必要

音楽を聴くことにより、メンタルタイムトラベルが起こりますが、注意も必要です。
というのも、繰り返しですが、脳には当時の嬉しかったことだけでなく、悲しかったことや悔しかったことまでインプットされています。
辛かった記憶も簡単に蘇る
メンタルタイムトラベルによって、嬉しかったことだけを思い出してくれればいいものの、脳はそんなにうまくはできていません。
そのため、以下のような記憶も蘇る可能性があります。
- 恋人と別れて悲しかったこと
- 友達と喧嘩して仲が悪くなったこと
- 学校でいじめられて辛かったこと
- 試合に負けて悔しかったこと
上記のような、ネガティブな感情(辛い悔しい悲しい)の時に、よく聴いていた音楽を現在聴くとどうなるでしょうか。
当然ですが、当時の記憶を思い出してしまいます。
そのため、音楽を聴くときはもちろん、カラオケなどでも少し注意が必要になります。
記憶はなくなっていない

本記事をまとめます。
- 音楽を聴くと記憶が蘇るのは「メンタルタイムトラベル」が起こっているから。
- メンタルタイムトラベルによって、記憶が一瞬にして蘇る。
- 音楽と記憶には密接な関係がある。
- 音楽を聴くときには注意も必要。
- 辛かったことや悲しかったことなども思い出してします。
こんな感じですかね。
最後にもう1点、補足しておくと、記憶というのは脳の中でなくなっていません。
というのも「古い記憶を思い出せないようにするための記憶」が、新たに書き込まれています。
そのため、記憶を蘇らせようとしても「アクセスできないよ!」みたいなことになります。
なので、古い記憶を蘇らせようとするには、今回説明した「メンタルタイムトラベル」か「プルースト効果」などを使うのが現実的ですね。
というわけで、今回は以上です。


